四季雑感  (13)                     樫村 慶一 

  なんのかんのと言ってももう2010年、昭和85年も終わる。“時が経つのが早い” は年寄りばかりでなく、このごろは若い人達まで言うようになった。本当に地球の自転速度が速くなったのかと錯覚する。 世の中どんどん変わって行くのに、ただただ、あっけにとられているばかりである。

  「光りの道」建設をめぐり、A案B案と一部で騒がれていた話も12月15日にようやく、総務省の作業部会で(A>案に決まり決着がついた。A案B案とやっていたCMはまだ続いている(21日現在)。この話は殆どの人が何がなんだか分からなかったと思う。 この両案の違いを一言で言ったら、要するに、ブロードバンドを普及させるため、加入者線を今の銅線から光り回線に変換する事業を行うのに、国のお金つまり税金を使って徐々に実施しようというのがA案で、 加入者線ネットワークをNTTから切り離して、国、NTT,KDDI、ソフトバンク、ケーブルテレビ会社などが資本を出し合って作る新会社の所有として、早急に実施しようとするのがB案で、ソフトバンクが 原口前総務大臣を説得して推進してきた。国民から見ると税金のかからないB案が一見良い案だと思うだろうが問題が大き過ぎる。なぜソフトバンクはそんない急いでこの事業を実現したいのかが、ことの本質である 。しかしこれ以上深入りすると話が長くなるので、今年はこの辺で終わりにしたい。要するにソフトバンク以外の通信事業者は、ほっとしているということだ。

  建設中のスカイツリーが500メートルを超え、世界一に大きく前進した。しかし、大きくなったことを伝えるニュースを見るたびに気になることがある。今から30年以上も前になるが、新宿ビルの32階の 大会議室で、NHKの気象・火山などの専門家である伊藤解説委員の講演会があった。まだ覚えている方も多いと思う。その伊藤さんが大事なことを言ったのを覚えている。それは、「コンピュータのシミュ レーションの結果、M8.9の関東大震災のような地震が起きても大丈夫、と言うのはあくまで、過去のデータと同じような波形の地震波だったら大丈夫と言う意味で、将来、過去に起きていない波形の地震が発生したら どうなるか分からない」 と言ったことである。確かにそうだと思う。コンピュータの実験ではあくまで過去データしか使えないのだから当然のことで、今後、どんな波形の地震波がくるか誰にも予想できないのだから。 鉛筆のように細いスカイツリーは本当に大丈夫なんだろうか。高所恐怖症の私は、ビルの5階以上にいるときはなんとなく不安感を抱いている。従って東京タワーにも登ったことはないし、スカイツリーにも登る つもりはない。正直なところ、東京に本格的大地震が来たとき、高層ビルや地下鉄、堤防などどこまで安全なのか、起きてみないと誰にも分からないのではないだろうか。
銀座の天使
  今年もk-unetには沢山の投稿をさせていただき有難く思っている。一時期騒がれた匿名騒動では濡れ衣を着せられたりもしたが、もはや過去のことである。来年の“うさぎ年”は、私の偏見でみると十二支の中で 一番地味な感じがする。泣き声を持たない数少ない動物だからだろうか。八十坂の入り口にたどり着いてこれからこの急坂を上り始める最初の年である。おだやかな静かな年になって欲しいと願いつつ、この辺で今年はシャットダウンと行きたい。皆様、良いお年をお迎え下さい。
( 2010.12.23記)
 
 *「声欄」が年末のイルミネーションの写真で華やかに賑わっている。写真が載せられる新機能のおかげで、今年のk-unetの大きな功績である。こうなると、やっぱり動画アニメが少しは欲しい気がして、 季節に因んだ簡単なアニメを投稿したがうまくいかない。折角作ったのだから、ここで紹介させて頂く。この黒い天使は銀座和光の有楽町側の通り(ガス灯通り)と晴海通りの角に置れてたいたもので、面白いのでシャッターを押した。天使は1体だけなのを色々な角度からに加工した。