季節の風景:ホッカホカの焼き芋

季節の風景:ホッカホカの焼き芋


「やーきいもー、やーきいもー、いしやーきいもー」
独特の節回しで呼びかけながら売り歩く姿は、日本 の冬の風物詩のひとつである。 おお、寒い。
真っ赤に薪を燃やし、煙をもうもうと立てながら、 軽トラックがゆっくりと流して行った。 割れば包んだ新聞紙の中から熱い甘い匂いが漂う。
庭で落ち葉を焚きながらさつまいもを焼く光景は冬 の季語だが、焚き火の規制などで見られなくなり、 スーパーの店頭などで売られることが多くなった。
  「ほっかほかーでおいしいよー、さあいらっしゃい」

焼芋の 固きをつつく 火箸かな    室生 犀星