季節の風景:桃の花咲く里

季節の風景:桃の花咲く里

桃の花で名高い笛吹市は、いま満開の時期。残雪の南 アルプスを背景にした斜面が柔らかなピンク色に染まっ ている。この景色を前にすると、高校時代に習った漢詩 『詩経』の中の“桃夭”の一節が自然に口に上った。

 桃の夭夭たる、灼灼たる其の華
 この子ここに歸ぐ、其の室家に宜しからん

桃の花のように美しい娘が嫁いできたなら、その家の 人はみな幸せになるだろうという祝いの歌。『詩経』が 紀元前11世紀から前7世紀までの詩を取り入れて編纂 されたことを思うと、桃の花はその当時からこのように 咲いていたのかと、遠く遥かな気持ちに誘われた。

花言葉: 「気立ての良さ」 「チャーミング」