ネット・インタビュー(2)

NHK経営委員に再任された 一力 徳子 (いちりき のりこ) さん

「昨夜リキちゃんがテレビにでたね!見た?」 「もちろんよ!私達の誇りだわ。」 去年の暮れは元国際電話オペレーターが集まれば 一力 さんの話題でもちきりとなりました。そこでネット・インタビューに元国際電話センター運用部長、元 KDD 仙台支店長で、昨年12月 NHK 経営委員に再任された 一力 徳子 さんに登場していただくことにしました。 (鎌田光恵)

一力徳子さん

1. 今、話題のNHK経営委員会についてお伺いします。

(1) お仕事の内容は?
「放送法」 により設置されている委員会です。委員は、衆参両院の同意を得た後、内閣総理大臣が
(一般国民・各界から) 任命します。主管は総務省(旧・郵政省) です。
委員会は、NHK (日本放送協会) の最高意思決定機関で、任務は、NHKの収支予算、事業計画の決定など経営全般にかかわります。会長と監事の任免権を持ちます。会長以下の執行役員らとともに、質の高い、公正な放送事業の方向をめざします。なお、よく間違われるのですが 「番組審議委員会」 (各地方単位に設置) とは、別です。
(2) 委員の数は?
 経営委員は、全国から12名で、委員の互選により委員長1名、代行1名がいます。委員の任期は3年で、12名のうち、男性7名・女性5名 (2004/12/16現在) です。現在の女性委員は、私 (東北) のほか、東京3名、九州1名です。みな個性的で、愉しいです。
昭和40年〜42年の委員長に、故・靭 (うつぼ) 勉・元KDD社長の名前があります。
--- 靭 (うつぼ) 元KDD社長はご苗字の漢字の読みと意味を覚えたことで印象に残っています。
--- ところで現在の本業は、仙台で 「老舗のお茶屋」 さん 「よろづ園茶輔」 を経営していらっしゃる。
(3) 家業との両立はさぞかしでしょう。
 仙台の小あきんどの立場で、NHKの経営を語るなどは、ケタ違いで、おこがましいのですが、総務省からの再三の要請に対し、視聴者・一般市民・愛国者の一人としてなら、議論に参加でき、言えることもあろうと、お受けした次第でした。景気が悪く、地方都市の商店経営は、ままならない時代ですが、放送であれ、商店であれ、経営の底に流れる、気概・心理・思想・倫理、というようなものは、同じであるはずです。違いは、目的が利潤追求ではない、日本にひとつしかない 「公共放送」 団体であるということ。それに 「受信料」 制度があることです。これは、民放との最大の確執にもなっているポイントなので、そのあり方については、社会全般から広く議論し、しかるべき機関、しかるべきひとびとに検討してもらうことが必要だと思っています。

2. 難しいお話はこのくらいにしてお茶についてお尋ねします。

(1) 日本茶愛好者にとってのテーマ、日本茶のおいしい淹れ方は?―― (お煎茶の場合)
専門店で、しっかりした茶葉を買ってください。 (緑の黒髪のような深い色、針のように細く巻いた葉形、スッキリした香りのものを。ムッとするのは困ります)
@ 熱い湯(85〜100度)では、苦渋味 (カテキン類) が強く出ます。ぬるい湯でじっくり淹れると甘み (テアニン、アミノ酸類) がよく出ます。上質の葉は、熱湯にもよく耐え、数杯美味ですが、下級茶は苦み、渋みばかりが強く出、番数がききません。従って子供などには、水出しか40度位の低温で甘みを出せば、抵抗なく飲めます。
A いただきものの茶で、味も香りもイマイチの場合、安くても個性の強い茶 (たとえば、よろづ園の煎茶芽茶630円/100g) を少しブレンドするだけで、キリリと美味しくなりますよ。香ばしい玄米や、お抹茶を少々混ぜるのも一案です。
B 茶葉は大切に扱い、しかも早めにお使いください。葉は、乾燥しており、腐ることはありませんが、日にちが経つと、くたびれて美味しくなくなります。また、茶はニオイを吸収するので海産物やリンゴやバナナ等と一緒には保管しないでください。
(2) よろづ園茶舗のホームページは?
web site の URL は http://www.yorozuen.co.jp/ です。よろづ園は、YO-RO-DU 園なので、「づ」 でもネットに現れるようにしようと、アタマ、ひねってもらっています。

3. 今年の仙台のニュースはなんと言っても!!

(1) プロ野球 「東北楽天ゴールデンイーグルズ」 が3月にデビューすること。
昨年、ライブドアを抑えて、あわただしく結成された 「楽天野球団」 は、全国が注目するところです。
このところの降雪続きで、球場の整備完成が間に合うのか、 (3月の試合はアウェイですが、4月1日は、オウンで、巨人と初対戦です。) 勝ち続けるのか、それとも負けるのか、地域がどう支えるのか。二軍は、どうなるのか。ワクワクするような問題山積です。せっかく球団ができるのだから、応援したい、見てみたい。そこで、仙台の異業種交流団体 「はなもく七三会」 (毎週・花の木曜日・07:30時に集まる朝食勉強会・会長一力徳子) では、去る1月13日の例会に、島田亨・楽天球団社長の新春講演会を開催しました。
公開にしたところ早朝にもかかわらず、なんと104名の参加があり、景気低迷する地元に、経済効果あれかしと、祈るようなひとびとの熱気を感じた朝でした。社長は三木谷オーナーと同じ39歳、スッキリとした、リクルート育ちの実業家で、会社説明会みたいでしたが、104人の名刺交換にも礼儀正しく対応し、律儀に、ファン獲得に働いていました。また一方、観戦席券を、オークションで値を高く吊り上げる施策に加え、 「折れたバットの販売」 も計画にあるそうで、さすがー、ころんでもタダでは起きない、若手IT産業の旗手だー、という感想も持ちました。
(2) 私の関わる 「四ツ谷用水の復元」 運動に、すばらしい前進の手ごたえが・・・。
「都市水路検討会」 (座長:井上和也京都大学防災研究所長) の中間骨子を受け、国土交通省が 「都市水路設置立法化」 に動き出したのです。国は、神戸淡路大震災後、大・中都市の水路確保を検討していましたが、この度、400年前に伊達政宗が仙台の町中に開いた全長45キロの水道 「四ツ谷用水」 (広瀬川の分身) に注目したのです。前出の 「都市水路検討会」 が、全国で三つのモデル地区に、“仙台の四ツ谷用水”を選び、これを再生することを、中間報告の中に取り上げたからです。(日刊建設新聞2004/11/26付)
「四ツ谷の水を街並みに!市民の会」 (会員115名・2005/1/25現在・一力は代表委員の一人です) では、平成12年から、政宗の残した歴史遺産 「四ツ谷用水」 の復元をよびかけてきましたが、市では、担当部署がないことを理由に、腰が重かったのでした。国が動けば、市も同調せざるを得ないことです。なにしろ、既にある水路ですから、覆いを取れば、すぐに現れ、経費も安く済みます。神戸の地震では、水道が2週間も止まって、難儀したという話なので、防災には、水路復元は、一挙両得、渡りに船の図です。
名古屋を含む中部地方では、たとえばトヨタの前身 「豊田織機」 の遺構をきれいにして、観光資源として売り出す 「産業観光」 事業が活発になってきました。今春からの愛知万博では、世界中から来たひとびとが、それら産業遺構を見てまわるのです。
なんという、たくましいホスピタリテイでしょう。この視点にならって、四ツ谷用水も脚光をあびる可能性が、出てきました。輝ける政宗の歴史を大切に活用したいのです。

一力さんの楽しいお話をお伺いするうちに野球ファンでなくても4月1日の楽天・巨人戦を観戦に仙台まで出かけてみたくなりました。 インターネットでよろづ園のホームページをみて内容が充実していることにびっくりしました。最近、よろづ園茶輔のお煎茶 「雲上の茗」 に魅せられている(?) のですが、次回は煎茶芽茶 (630円/100g) も注文し古くなった自宅のお茶とブレンドして美味しいお茶のあじを蘇らせたいものです。
(鎌田光恵)