ネットインタビュー (5-1)

--- 拘りの趣味 ---

先輩会員のお二人、北田 一郎さんと伊藤 勉さんの拘りを2回にわたってご紹介します。
      その1:北田さんのダットサン・ブルーバード U610
      その2:伊藤さんのRV車、お二人と釣り
  アマチュア無線が取り持つ縁で長いお付き合いになっています。お二人とも第1級、第2級アマチュア無線技師の上級資格をお持ちです。第4級アマチュア無線技師である磯村の無線機の調子が悪く、僅か数十ヘルツでも周波数がずれている時には、昔の職場で培った周波数計も顔負けのプロの耳をお持ちのお二人には我慢出来なかったのでしょう、厳しく再調整を要求されたものです。遊びでも、状況次第ではプロに変身するようです。
  お二人とも、アマチュア無線以外にも、それぞれが固有の拘りのある、筋金入りの趣味をお持ちです。共通の趣味、釣りと車です。今でも定例となっている、毎週日曜日の午前中、OB数人が 144MHz 帯 SSB で交信しますが、釣りの話題になることが多かったようです。鮎の解禁前の 「下見」(次回分) に同行することになりました。
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--- その1 北田さんのダットサン・ブルーバード U610 ---

1. 車

 「下見」 には3人がそれぞれの車で出掛けたのですが、北田さんのは、失礼ながら古色蒼然としたセダン、あの有名な ダットサン・ブルーバード U610 2000GTX でした。その車を見たのは2度目ですが、それが最後になりました。伊藤さんのはやや小振りのRV車でした。それぞれに思い入れがあると感じました。
愛車 北田さんと愛車

(1) 長年連れ添った北田さんの愛車

 北田さんのブルーバードを見たのは何年も前のことでした。房総半島のマザー牧場近くの鹿野山にKDDハムクラブのメンバーが集結して、そこで日本アマチュア連盟主催のフィールド・デー・コンテストに参加することになっていました。京葉道路の何とか言う料金所で通行料を払っていると、隣のレーンに重々しいエンジン音とともに入ってきた車、それが北田さんの愛車 ブルーバード U610GTX でした。当時、磯村の車は Elegant & Dressy と言われていた?トヨタ・カリーナEDでした。そのEDと北田車の2台が並んだ眺めは格別なものでした。
 伝え聞こえてくる話ですが、車のボンネットを開いたり、車の下に潜り込んでのあちこちの点検、維持管理は大変だったようです。古くなっても愛車、拘りは、ナンバー・プレートまで及び 「品川530に610」 に替えるほどの懲りようだったとか。古くなったから、故障しがちだからと直ぐ買い換える手合いには耳の痛い話です。

Q.何故、そんなに長い間 U610 に拘り、乗り続けたのですか?

 最初の四輪車はトヨタ・パブリカでした。その後、ニッサン・ローレル、ブルーバードGLと乗り継ぎ、昭和50年10月にブルーバードUGTXに落ち着きました。(UGTXで30年!)売出しの 「ロング・ノーズ、バーチカル・フェイスとか販売限定車」 なる宣伝文句に踊らされました。嘗てのイギリスの名車 「ジャガー」 に似たスタイル (実際は、ホイール・ベースが短いからズングリ型) に惹かれました。また、装備類、特にハイ・トップ・ギアの付いた前進5速、6気筒ツイン・キャブ・エンジンの吹き上げの良さが魅力でした。
  愛称は 「サメ・ブル」、左右のフェンダー横に半月状の魚のエラに似たデザインが 「鮫」 に似ている、あるいは 「鮫」 そのものの精悍さかな....。左様なわけで、走行メータが2周するまで楽しましせて貰いました。本当に 「愛い奴」 でした。

Q.維持管理は?ディーラーや修理工場泣かせでは?

 年代ものの車になると、ツイン・キャブのバランス・チェックなど調整出来る技術者の確保が困難でした。幸い、昔、レース・カーに携わっていた技術者が埼玉県幸手市の工場にいることを紹介され、ベスト・チューニングの状態を保てました。なお、車を長持ちさせる秘訣は、何と言っても日常の手入れ、特に錆対策に尽きますネ。
  今でも、あちこちのサイトに名車として掲載されているU610GTXですから、カー・マニアも注目しています。オーナー達もこのような Vintage Car にはそれなりの誇りを持っているようです。なんでも、そんなクラシック・カーの名車を連ねて市中をパレードなさったようです。門外漢の失礼なセリフになりますが、全車が完走したのでしょうか。そんな疑問すら覚える車です。 しかし、その勇姿は、全国日産オーナーズクラブ会員誌 「ニッサン クラブライフ」 2002年春号に掲載されています。日産の働き掛けかと推量しますが、名車の評価は高いもので、小金井市民祭りの 「クラシックカー・フェスティバル・イン・小金井」 に参加なさっています。

 平成15年10月、北田さんは高齢を理由に愛車を抹消登録なさいました。車の仲間達は、北田さんの愛車を何とか保存しようと行動しました。日産も、自動車博物館が開設された折に、展示コーナーに置くことを考えているようです。現在、日産自動車座間記念庫に保管されているそうです。廃車と同時に、長年楽しんだ 「釣り」 からも手を引いてしまったとか。ライバル?の伊藤さんが慰留なさったようですが決意を変えることは出来ませんでした。
次号に 「車」 の残りと 「釣り」 などを予定しています。