今月のお知らせ

■ 会員の状況

1月中の会員増減はありませんでした。1月末現在で会員数は520名です。

■ k-unetパソコン研修会

次回は3月6日に町田市民フォーラムにて開催予定です。研修担当の山本勝美運営委員が講師を担当します。詳細は後日ご案内いたします。
 なお、4月25日(水)に「さいたま市」で研修会を開催るす予定で準備を進めておりますので、ご期待ください。

■ サロン k-unet

3月14日に四谷地域センターにて 第18回サロンk-unet(お料理教室)−ワインで春を待つ会− を開催いたします。皆様のご参加をお待ちいたしております。

■ 臨時運営委員会

3月19日に四谷地域センターにて臨時運営委員会を開催します。4月23日開催予定の k-unet年次総会対応等について審議いたします。



今月のコラム

担当:本間 強

2月に入っても例年になく寒冷な気候が続いておりますが、皆様、お元気でお過ごしのことと存じます。4月1日からのk-unetホームページのリニューアルに向けて大詰めの作業を進めているところですが、皆様の更なるご支援、ご協力のほど宜しくお願い致します

 ☆ 人工衛星の軌道計算 ☆

1957年10月4日に世界初の人工衛星「スプートニク1号」がソビエト連邦により打ち上げられました。この歴史的成功がアメリカ合衆国にスプートニク・ショックを引き起こし、その後アメリカとソ連の熾烈な宇宙開発競争が繰り広げられ、数々の人工衛星が打ち上げられました。日本では1993年11月23日にリレー衛星による米国からの初のTV伝送実験が行われ、その実験でケネディ大統領暗殺のビッグニュースが伝送され衛星通信の威力が示されました。当時、小生は茨城宇宙通信実験所で大型通信アンテナを衛星方向に指向制御するコンピュータの運用支援作業を行っていましたが、それ以来、人工衛星がどのように地球を周回するのか、大変興味を持ちました。50才代になり科学技術計算プログラミングができるパソコンが個人で購入できる環境となり、趣味でプログラム作りを勉強していましたが、小生の能力ではとうてい無理と思われるC言語による人工衛星の軌道計算に挑戦してみることにしました。

人工衛星の軌道は、軌道要素データを用いて時々刻々の位置を計算することができます。地球を周回する人工衛星の軌道要素データは NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)のホームページから入手することができます。このホームページを見ると宇宙ゴミ(Debri)となった衛星を含め沢山の人工衛星が地球を周回していることが判ります。ちなみに静止衛星(geostationary)のところを見ますと2月13日現在で401個の衛星が登録されており、単純に計算すると静止軌道上に0.9度ごとに配置されていることになります。同ホームページに掲載されている集計表によりますと、移動衛星を含めて地球を周回している衛星は日本が打ち上げたものが約127個、世界全体では約3,600個もの衛星が地球を周回しているそうです。

軌道要素データの例(日本のJCSAT-2A衛星)は以下のようなものですが、人工衛星名と2行の数値データが並ぶ素っ気ないもので、通称 TLE(Two Line Element)データと呼ばれています。


   JCSAT-2A
   1 27399U 02015A   12037.42437757 -.00000166  00000-0  10000-3 0  7413
   2 27399   0.0253 200.2757 0001939 124.1163 118.3407  1.00272564 36173


 この軌道要素データの意味と衛星の位置を計算する手順は少々複雑でマンスリーレターではご紹介しきれませんので、ご興味がある方は、詳しく解説されている「CALSAT32のからくり」 をご覧下さい。ウエブ上で計算表示するソフトを含め TLEデータを用いて衛星の軌道を表示するソフトは沢山ありますが、フリーソフトの Orbitron というソフトがお勧めです。このソフトは、NORADのウエブサイトからTLEデータを読み込み、パソコンの実時間で1秒ごとに軌道を計算し世界地図上で衛星が現在どこの上空を周回しているのか表示してくれます。衛星打ち上げのニュースに良く出てくる衛星追跡管制室のモニター画面とそっくりです。

この2つのソフトを参考にしてC言語による人工衛星の軌道計算プログラム作成に挑戦したのですが、小生にとってプログラムを作るうえで困難な事柄が沢山出現しました。参考となる書籍やインターネット検索で情報を集めてなんとか問題を解決し、約7年ほどかけてC言語による軌道計算プログラムを完成せました。「何事も成せば成る」ものですね。小生作のソフトは Orbitron と同じく NORADのウエブサイトからTLEデータを読み込み、パソコン画面の世界地図上に1秒ごとの衛星、太陽、月の位置と衛星の可視範囲を実時間で表示します。しかし、衛星の動きは移動衛星でもそんなに早いわけではなく画面を見ていても面白くないので、衛星の動きを約10倍の早さで計算して表示する機能を付け加えて楽しんでおります。ロシアの長楕円軌道衛星(Moluniya)や、日本の準天頂衛星(みちびき)は独特の軌道で地球を周回しています。マンスリーレターではその様子をご紹介できませんが、機会がありましたらご紹介したいと思っています。ご興味がお有りの方はご連絡ください。



 

あとがき

春が近づいて温かくなると花粉症の季節が始まりますが、花粉症の小生にとって毎年この時期は憂鬱になります。今年の冬は寒かったせいか花粉症の兆候が現れるのが遅れていますが、最近ようやく感じ始めています。花粉症にならぬようお気を付けください。

次号は、運営委員の山本 勝美さんの担当です。

以 上