四季雑感 (4) |
樫村 慶一 |
今年の初詣は浅草の観音様へ行った。浅草の初詣は2回目である。毎年4日くらいまでには女房と何処かへお参りに行くのが長年の習慣になっている。行く先は、千葉に住んでいた頃は車で成田山へ行った。毎年三か日に300万人以上の参拝者が来る場所だから、自動車の数も膨大なので駐車場も大混雑する。でも、そこは長年行っている場所なのでちゃんと穴場を心得ていた。 東京へ住むようになってからは、明治神宮だったり、西新井大師だったり、川崎の大師様だったり、新井の薬師様だったり様々だ。 浅草は雷門前の通りは規制で車が通れないので、池袋や三ノ輪の方から来るバスは国際通り(浅草一丁目)で終点になる。国際通りは仲見世通りの西側を平行している道なので、何処の路地だって東へ入れば仲見世通りへ出られる。こうした細い道も中々面白いものである。普通の所ではもう見られないような品物を売っている店などが残っている。特に和装に関するものなど、此処へこないと買えないものも多い。そんなことを楽しみながら、1本の路地に入った。そこで、珍しい店を見つけた。 史跡探勝会の初歩きで日本橋の七福神巡りをした。兜町を中心にしたこの界隈の七福神に因んだ各神社には、景気回復を祈るのであろう黒い背広を着た人々の参拝姿が特に多いように見えた。我々はと言うと、八重洲口地下の洒落た蕎麦屋で、健康と年金に感謝し、これ以上メンバーが減らないようにと祈って気勢を上げた。 さて、今年初ての「四季雑感」であるが、メイン・テーマは他でもない、確定申告のことである。 昨年の確定申告時に気が付いて、四季雑感の前身 「このごろ思うこと(3)」 にも書いたことがある ”隠れた減税の話” である。 20日に提出するとき署員に聞いてみたら、はっきりと、”これは減税です”と言った。 それにしては、一昨年の財源地方委譲とかの話題が盛んだった頃、この減税の話しはさっぱり報道されなかったように思う。マスコミが強調して報道しないと、国民は殆ど気が付かないもののようである。もうすっかりご承知の方々には、”偉そうに言うな、そんなことはとっくに知っている” と仰るかもしれないが、私のように2年目でも改めて ”へー” と思う者もいると思うので鳥渡だけ我慢して頂きたい。
2008年の確定申告(平成19年の収入)から、所得税の課税区分が2007年までの5段階から7段階に細分化された。高いほうは別にして、我々に関係するランクでは、2007年確定申告(平成18年の収入)までは、「課税所得が999円まで⇒税額0円、1,000円〜3,299,000円まで⇒1%、 3,300,000〜8,999,000円まで⇒2%から33万円を控除した額 以下略」 という制度であったが、2008年からは 「999円まで⇒税額0円、1,000円〜1,949,000円まで⇒0.5%、1,950,000円〜3,299,000円まで⇒1%から97,500円を控除した額、 3,300,000円〜6,949,000円まで⇒2%から427,500円を控除した額 以下略」 と変わった。2007年までは、税金ゼロランクからいきなり1,000円超の人は1%になっていた。それが、2008年からは途中に0.5%のランクが出来た。累進課税制度なので、3,299,000円までの人には、全額に1%の税率がかかってしまわないように、1,950,000円までの分には0.5%分を差し引かなくてはならない。この金額が97,500円である。立派な減税である。私の例で言うと、2007年申告までの定率減税額は約33,000円だったのが、この新しくできたランクのお蔭で97,500円が定率減税のような効果を発揮して、定率減税よりも多額の還付金を生み出してくれるようになった。 |
【写真上: 浅草寺中門付近の人ごみ。写真下:浅草一丁目・ジャズレストラン・ハブのRINKO & 東京キッドの熱演】 |