季節の風景:八重咲きの山吹

季節の風景:八重咲きの山吹

太田道灌のエピソードで有名な花。実の生る一重の山吹 もあるが、万葉の頃から、山吹といえば結実しない八重 咲きの方を指していたらしい。また山吹色という色名は 平安時代から親しまれていて、源氏物語の「若紫」にも 登場する。日の光を沢山閉じ込めたような鮮やかな黄色。 英語では bright [golden] yellow. 絵の具でいえば deep chrome yellow. 日本の伝統色として立派な位置を与えら れたことにより、イメージの世界でも何か独特な存在感 を醸し出す不思議な花である。

花言葉: 「気品」「崇高」「待ちかねる」

山吹の檜垣抜け出し一枝かな  富安 風生