季節の風景: 菊薫る
いま日本の各地で、菊花展や菊祭りなどが開催され、
丹精を込めて育てられた美しい花を観賞できる。菊は
ふるくから不老長寿の薬効があると重用され、その後
観賞用として、黄菊白菊が賞美され始めた。後鳥羽
上皇が菊を特に愛され、日常品にまで菊花紋を用いた
のが皇家の紋章の起源となり、日本の国花になった。
イタリアのオペラ作曲家プッチーニは、32歳のときに
「菊の花」という弦楽四重奏曲を作曲している。5,6
分の小品だが、何となく芳しい菊を連想させる美しい
曲である。
( 写真提供:伊藤辰夫さん 文:大谷恭子さん)
花言葉: 「高貴」 「高潔」 「真の愛」
鶴の来て翼伸べたる黄菊かな 水原秋櫻子