季節の風景:桜とヒヨドリ
「年々歳々花相似たり」、季節が巡り再び桜が咲き誇ると、その花の間を嬉しくて仕方がないという風情で飛び回るのが花喰い鳥のヒヨドリ君。散りゆく花と生きる歓びを人以上に謳歌しているような … 。江戸時代の蒔絵や屏風絵のモチーフとして親しまれてきた鳥。かつては越冬のために都市部に渡ってきたといわれるが、今では1年中棲みついていて、どこででも見られる。
さくら さくら いざ舞い上がれ
永久(とわ)にさんざめく 光を浴びて
さらば友よ またこの場所で会おう
これは卒業式でよく歌われる森山直太郎のヒット曲“さくら”の
一節であるが、何故かヒヨドリに向かって友よと呼びかけたく
なった。 ( 写真・文 大谷恭子)