季節の風景:武相荘に咲く侘助

侘助(ワビスケ)は、つつましやかな花の風情が古くから茶人に愛されてきた。いま町田市の旧白州邸・武相荘(ぶあいそう)では、白侘助が満開を迎えている。白州正子さんは椿がお好きだったというが、とりわけ侘助椿をお気に入りだったらしい。白州さんの随筆にはしばしばこの花が登場する。庭の大きな木に幻想的に咲き誇る 侘助を眺めつつ、「ひとの人生は一回こっきり。だから幸福になることは人間のつとめであり、責任である」(「私のお茶」より) と、お思いだったのだろうか。 ( 写真と文: 大谷恭子)

好日を讃え侘助咲き競ふ  吉田眞弓



ホームページへ