季節の風景:紫木蓮に願いを込めて

年々歳々花相似たり、 “どうぞ希望を捨てないで” と語りかけているかのように紫木蓮が咲いている。いま、失意、絶望、哀しみの中にいる人々、救済に尽力されている人々に対し、被災地から遠く離れていても、誰もが心の中で、「復興」、「再生」、「希望」への熱い願いを込め、自分にできることは何だろうと、強く、深く考えている。このような温かい気持ちや愛が、春のせせらぎとなって、三陸のリアス海岸に流れ着いて欲しい。
( 写真と文:大谷恭子)

木蓮の花のなげきはただ高く 中村草田男