季節の風景:ムラサキツユクサ
朝に咲き、日が当たると萎んでしまう紫露草。路傍に咲く露草とは葉の形が違う。この花が、放射線生物学の研究に役立っているのだと、最近知った。この花の青の染色体が、微量の放射線照射に対しても、ピンクに変化するなど観察に適していると、浜岡原発の地元高校の生物教師が発案し、その後、原発のある周辺地域ではどこでも植えられるようになったという。海外の原発地域でも。この涼やかな花が、研究者に「アブナイ!」とサインを送り、危険性を訴えるのだとすると何だか健気な気がする。
(写真と文章 大谷恭子)