季節の風景:真夏の陽射し

皇居内の広い芝生の上で、大人から一人離れ、楽しそうに太陽と戯れている少女を見かけた。目の前に果てしなく拡がる緑の絨毯と、優しく輝かしい夏の光の想い出は、これから長い人生を通してもきっと心の拠り所となるのではないかと、ふと感じた。大人は木陰を求めるが、子供にとっては真夏の明るく熱い陽射しは、嬉しく懐かしいものだったという記憶がある。暦の上では間もなく立秋、しかし8月の太陽はこれからもまだまだ眩しく、力強い。
 (写真と文章 大谷恭子)

夏帽子かぶればすぐに風と会ふ  江頭信子