季節の風景:秋、もの想う季節

“秋の日のヴィオロンのためいきの身にしみて ひたぶるにうら 悲し”― 多くの日本人が諳んじているポール・ヴェルレーヌの詩(上田敏の邦約、『落葉』)。若い日に出会ったこの美しいフレーズにより、私の秋への思いは、滅びの美学へと次第に深まっていったような気もする。   (写真と文章 大谷恭子)

落葉追うこころ落葉を踏むこころ  林翔