季節の風景:早春の鎌倉
鎌倉の花の寺として名高い瑞泉寺の奥まったところに大宅壮一さんの評論碑が建っている。そこを通りかかると、偶然りすがやってきて、ポーズをとってくれた。このリスが何となくここで足を止める人の顔をじっと見ているようで可笑しかった。1月「往ぬる」、2月は「逃げる」 3月サラサラというように、時はどんどん過ぎ去り、その歴史が顔に刻まれる。木は樹齢を重ねるほど良い木になるといわれるけれど。 (写真と文 大谷恭子)
早春や戻りたがる歩 行きたき歩 湯川雅