(1) 日頃の生活態度について聞きました。
(2)次は国際感覚に関する調査です。
「あなたは次のことをしたいと思いますか」という問いに対し、是非したい=4、少ししたい=3、
あまりしたくない=2、したくない=1で答えてもらったものです。
(A) 図1を見て下さい
(図の横軸は上記 16 項目の番号とキーワードを示しています)。
これは東京都が男子785人、女子802人の若者に対して行ったもので、各項目に対する、1から4までの評価
の平均値です。平均的に、何とか外国人と付き合っていくための最低限の努力をして行こうという気分が
読み取れますね。外国で仕事をすることや外国に永住したい人、また外国人と結婚したいという人が極く
僅かであることはちょっと意外な感じがします。
(B) 全く同じ質問を留学生にしてみました。
学生の大半は中国本土からで、韓国、台湾がそれに次いでいます。
図2 は男女の差を示したものです。留学生であるからこそ、「外国」に対してアレルギーは無いようで、全体的に見て、
東京都の調査結果と同様な傾向はありますが評価点は積極的な方が多いようです。
4 が多く出ているのは、母数が少ないためです。
結婚と永住については女性のほうが拒否反応が大きいようです。外国より、自分の国の方が大切、あるいは安心
できるという感覚かなと思われます。
途上国などでの援助については、自国が先だという考えから消極的な見解が多かったのですが、最近のイラク情勢 などが影響している面もありそうです。
(C) 日本人学生と外国人学生で比較してみたものが図3です。期待したほどの違いは無いようです。僅かに外国人のほうが積極的だと言えるかも知れません。
(3) 今度は生活感覚について聞いてみました。
「あなたは次の項目に賛成ですか、それとも反対ですか?」という質問に対し、次のどれかで答えてもらった結果で、
縦軸は横軸の評価をした人の全体に対する割合です。
5)=賛成
4)=どちらかと言えば賛成
3)=どちらでもない
2)=どちらかと言えば反対
1)=反対
B 古いものは長い間ずっと受けつがれて残ってきたものだから、そのよさを大切にすべきだ
古いものはもう作り直せないのだから、大切にしたいという意見が大半です。反面、実生活の面では新しく改革していく
のがよいと言っています。男子の方が積極的です。
C 社会の秩序を維持するためには、多少いやな思いをしても法に従わなければならない
自分のやりたいことをやりぬくためには、社会のルールを破るのもしかたないと思いながらも、社会の秩序を維持する
ためには、多少いやな思いをしても法に従わなければならないという、優等生的な意見も多くありました。
一方、ここには出しませんでしたが、自分のやりたいことをやり抜くためには、社会のルールを破るのも仕方ないと思う
者も多くありました。
G 人生はそのときそのときが楽しければそれでよい
これは我々でもばらつきの出る質問だったかもしれません。享楽的に聞こえることは嫌いだと受け取る人がいた反面、
今いくら一所懸命やっても、明日をも知れぬ命ならば今を楽しむべきではないかという者もいたようです。
H よい学校を出ないといいくらしができない
W大学のようないい学校に留学しているくらいですから、もっと賛成が多いと期待しましたが、このように否定的な
答えが出るとは。。。密かな自信と自負の表れでしょうか?
以上、最近の調査結果の一端をご紹介しました。母数が小さいので、統計的な結果としては完全なものではありませんが、 全体的に、日本人の大人の目から見て、常識的と思われる傾向が多く見られています。他の調査でもそうだったのですが、 中国人、韓国人の考え方は儒教の影響なのでしょうか、日本人と共通する点が多いようです。全く違った点があることも 確かではありますが .... 。 今度は欧米の学生の見解も聞いてみたいものです。
以上、最近のアジア若者気質を垣間見たような気が致しました。